業務用冷凍庫・冷蔵庫が冷えない。ガス漏れ箇所特定方法について
業務用冷蔵庫のガス漏れ箇所の特定
修理に行った際には、お客様からヒアリングした上で目視・触診・異音等から異常箇所を判定します。今回はガス漏れしていた場合の判定方法をご紹介致します。
圧力測定検査
低圧側アクセスバルブ(アクセスポート)にゲージマニホールドを取り付け、圧力測定。動画の通り停止時0.5Mpaほどあった圧力が、運転開始するとグングン下がりほとんど0MPaになりました。ここまで圧力が低いとガス漏れ濃厚です。
ガス漏れした冷蔵庫の運転時の圧力。 pic.twitter.com/66ZRSUTGD9
— 冷蔵庫修理マン (@VnOVNBivItIobez) 2019年4月20日
※ゲージマニホールドを購入する際は必ず対応ガス(冷媒)を確認して下さい。
検知器である程度の漏れ箇所を特定
次にどこからガス漏れしているか検知器を使って測定します。
この検知器ではある程度の範囲に絞って特定できます。
検知器にてガス漏れテスト pic.twitter.com/cBEBUPuf9P
— 冷蔵庫修理マン (@VnOVNBivItIobez) 2019年4月20日
検知した時にブザーが鳴っています。この検知器である程度の範囲の漏れ箇所を探し出します。その後に使用するのがこの「ギュッポフレックス」です。「泡検」と呼ぶ人もいます。
最後は泡でガス漏れ箇所を特定
配管からガス漏れ箇所を特定しました。 pic.twitter.com/ePMS4nSgHe
— 冷蔵庫修理マン (@VnOVNBivItIobez) 2019年4月20日
このギュッポをガス漏れ箇所に吹き付けると微量なガス漏れでも泡が立つので視認する事が出来ます。便利ですね!
ここまで特定できれば完璧です!!
この様に全てがギュッポで特定できればいいのですが、あまりにも微量すぎる場合は検知器で反応を拾う事が出来ません。したがってその場合は運転圧力を確認し、冷凍・冷蔵機器の使用年数や腐食具合から判断して配管交換の見積りを提示する流れになります。
腐食・ガス漏れ箇所は9割以上は低圧側の配管になる為、ガス漏れ箇所が不明の場合は蒸発器のみ、もしくは蒸発器+低圧側配管の交換まで出来ればいいでしょう。
また、ガス漏れの配管交換修理は高額です。
ガス回収→配管取り外して再度溶接して取り付け→真空引き→フロン充填→試運転の流れになります。時間にすると機種によりますが、3時間~5時間(場合によってはそれ以上)かかります。参考まで。
業務用冷凍庫、冷蔵庫が冷えない。修理にかかる金額をざっくり解説してみた
冷凍・冷蔵機器が冷えない、調子が悪い場合は販売代理店や修理業者、メーカーに修理依頼をかけるかと思います。
その場合、一番心配な事はやっぱりお金ですよね。
修理する場合はいくらかかるのか。想像もつかない人も少なくないでしょう。
日々修理ばかりしている私の経験から、皆様が少しでもイメージしやすいように具体例を挙げて解説していきます。
修理にかかる金額の内訳
出張費
出張費とは修理依頼されたお客様の元へ行くまでに要する費用の事です。
内容としては交通費(ガソリン)/人件費/車両管理費です。
また、高速料金がかかる場合は追加実費になります。
金額については、修理を依頼した営業所から現地までの距離で算出されます。
従って出張費は場所によって変動します。
大都市については例えば大阪市内10,000円/名古屋市内8,000円等と決まっている会社が多いですが、遠方になると金額が上乗せになります。(会社によって出張費の金額は違います)
余程の遠方でない限りは大幅に上乗せする事はないはずです。
メーカーに依頼する場合の出張費はざっくりですが10,000円前後でしょう。
代理店、個人経営者が修理訪問する場合はもう少し安くなります。
出張費はざっくり10,000円
技術費(工賃)
機器の診断・判定から修理にかかる金額です。
修理の難易度、要する時間から算出されます。
比較的簡単な修理(部品交換程度)で2時間程度の作業時間であれば、おおよそ20,000円前後でしょう。(部品代除く)
技術費の金額も当然ながら会社によってい違います。
修理の内容で金額が決まっている会社もあれば時間単位で金額を算出する会社もありますが、そこまで大きく乖離する事はないはずです。
技術費はざっくり10,000円/時間
部品代
部品代はそのままその部品にかかる金額です。
庫内ファンモーターは12,000円、凝縮器ファンモーターは20,000円、基板は20,000円~30,000円程度します(こちらもあくまで機種によりけりですが、おおまかに)。
ガス漏れの際に応急でガス補充した場合や配管穴埋めした場合は溶接材料費も部品代になります。
その他
高速料金、駐車場代は実費で計算されます。その他にはフロンガス(冷媒)の回収・破壊等がかかります。上記項目の合計がそのまま修理金額になります。
出張費+技術費+部品代+その他=修理金額
それでは下記の事例でイメージしてみましょう。
出張費は大阪市内5,000円とした場合、尼崎市は+1,000円の6,000円。
技術費はファンモーター交換に2時間程度要する為、20,000円。
庫内ファンモーターは1個12,000円。
高速料金は【福島IC→尼崎IC】区間800円。
出張費6,000円+技術費20,000円+部品代12,000円+高速代800円
=合計金額38,800円(税抜き)
税込みだと41,904円が請求金額になります。
まとめ
どんなに簡単な修理でも最低30,000円はかかります。
修理を依頼して人を動かす以上は安い金額では経営が成り立ちません。
だからこそ、日頃のメンテナンスが大事です。また、冷凍・冷蔵機器を日頃使用する方もある程度の知識を持つことでコストは確実に抑える事が出来ます。
こちらのブログではお客様を出来る限りサポートし、分からない事には応えようと思っております。コメントを頂ければなるべく早く返信する様努めて参ります。皆様の参考になれば幸いです。
業務用冷凍庫、冷蔵庫が冷えない、電源が入らない場合の診断方法について
冷凍・冷蔵機器の故障診断と処置について解説致します。
故障の原因と言っても原因は様々ありますので、私の修理の経験から代表的な事例をピックアップしてご紹介致します。
修理は決して安いものではありません。一度ご自身で冷凍・冷蔵機器を下記内容に沿ってチェックして頂く事をお勧めします。もしかしたらご自身がメンテナンスする事で修理依頼せずに済むかもしれません。(その場合は最低でも3,4万円は節約できますよ)
【フィルターが詰まっている】
この写真の様にフィルターがゴミで汚れている、目詰まりしていると排熱出来ずに冷えなくなります。このフィルターは少なくとも半年は洗ってませんね(笑)。
フィルターを洗う場合は柔らかいブラシで中性洗剤を使用すると良いでしょう。
庫内ファンモーター停止
※今後更新予定
・凝縮器(コンデンサー)が目詰まりしている
※今後更新予定
・凝縮器(コンデンサー)ファンモーター不良(停止)
※今後更新予定
・ガス漏れ(配管の腐食等によるガスの流出)
※今後更新予定
・蒸発器の凍り付き(霜付き)
※今後更新予定
電源が入らない原因について
・コンセントが抜けている
※今後更新予定
・ブレーカーが落ちている(本体側or配電盤)
※今後更新予定
・漏電
※今後更新予定
・ヒューズ切れ
※今後更新予定
・基板不良
※今後更新予定
まとめ
上記内容について一度自分で確認して頂いた上で、修理依頼をするとサービスマンは適切な部品、材料を用意する事が出来、修理時間短縮が可能になるかもしれません。
定期的にメンテナンスを行い、長く使用出来れば幸いです。
縦型業務用冷凍・冷蔵庫の設置環境について解説する
最も一般的な縦型冷凍・冷蔵庫について、ユーザー目線で解説していきます。
業務用冷凍冷蔵機器は誤った使用方法、日頃のメンテナンスを怠れば冷えが悪くなり、故障に繋がり、寿命も短くなります。
私は毎日冷凍冷蔵機器の修理を行っていますが、30年使用してもまだ現役の機器もあれば6~7年で買い替えが必要な機器もあります。
全てとはいいませんが、適切な使用方法と正しいメンテナンスを行えば寿命は伸ばせます。難しい事ではありませんので、是非お読み頂き、店舗運営に役立ててもらえたら幸いです。
今回は冷凍・冷蔵機器本体の設置環境について解説致します。
設置環境
設置環境が悪いと冷却能力は極端に落ちます。夏場は特に冷えません。
その理由は、凝縮器で熱交換できないからです。
写真で解説します。
冷蔵庫本体の上部のカバーを開けると、右の写真のようになっています。
凝縮器と呼ばれる熱交換器があります。フィルターが取り付けられるヤツです。
この凝縮器の裏側にはファンモーター(扇風機みたいな物)があります。
このファンモーターで外気をフィルター越しに吸い込んで熱くなった凝縮器の熱を排出(排熱)する仕組みになっています。
「設置環境が悪い」という事は、「排熱できない環境」もしくは「そもそもの外気の温度が高い」環境を差します。
排熱が出来ているのか、いないのか言われても分かりませんよね?
そんな時はここに触れてみると分かりますよ。
この凝縮器の赤丸で囲われている部分の配管。左右どちらかの下側に奥に伸びている配管があります。そこは本来なら常温(30℃前後)が望ましいところです。ここが40℃を超えてくると排熱不良になります。当然冷却能力はかなり落ちます。
触診してみて「熱いな」と思ったら大体は40℃超えています。その場合は排熱不良ですので、
フィルターが汚れている⇒掃除する
凝縮器が汚れている⇒業者を手配して薬剤洗浄してもらう
上記2点を疑いましょう。
それでも排熱できない場合、設置環境が悪いという事になります。
排熱できない環境
・冷蔵庫がある部屋が熱がこもりやすい構造になっている
・換気扇やエアコンがなく、排熱されていない
・コンロや熱源が近くにあり、熱い外気を吸い込んでいる
等があります。
設置された環境が悪い場合は排熱された(熱を持った)気体をまた凝縮器に吸い込んでしまい、全く熱交換出来ない悪循環となってしまいます。そうなれば、冷えは悪くなり、電気代も倍以上かかり、短命になり、良い事なしです。
そうは言われても、設置されてしまっているのではどうしようもない・・・という訳でもありません!対策する事でしっかり排熱できるかもしれません。
対策方法
【窓を開けて換気する(換気扇があればONする)】
この様に換気扇が設置されている場合は常にONにする必要があります。
【凝縮器に扇風機で外気を送る】
クリップ型の扇風機で凝縮器に外気を送る。窓の近く、外気が拾える場所に設置し、凝縮器の吸い込み側(本体正面)に外気を強制的に送る事で排熱を良くする事が出来ます。
実際に中華料理屋さんでこの処置をして冷えるようになった事もあります。扇風機を設置する場合は正面から見て手前側に設置して下さい。奥側に設置すると排熱された温かい空気を送る事になってしまうので逆効果になります。
【エアコンを設置する】
これは一番確実な方法です。部屋に冷凍・冷蔵機器が数台あって更に排熱出来る環境ではない場合はエアコンを取り付けるしか方法はありません。
まとめ
今回は冷凍・冷蔵機器の設置環境について書きました。
排熱されていない場合は電気代アップ、冷却能力ダウンに加え、寿命が縮みます。
長く使用する為にも冷凍・冷蔵機器の設置環境を少し見直してみてはいかがでしょうか?
フロン排出抑制法について中小事業者がやるべき事をまとめてみた
平成27年4月1日から施行された法律「フロン排出抑制法」について、簡単に分かりやすくご説明いたします。対象は中小規模事業者向けです。
飲食店、厨房を持つ施設、冷蔵管理の物販を経営されている方は、ほとんどの方がこの法律の管理者として該当します。私も業務用厨房機器メンテナンス業の傍ら、飲食店オーナー様にこの旨説明しますが、誰もこの法律の事を知らないのが実態です(汗)。罰則規定もあって、遵守しなければならない法律なのですが周知されておりません。この機会にしっかりこの法律を理解し、遵守徹底していきましょう。
例えば飲食店を例に挙げると、フロン排出抑制法の対象になる機器は以下の通りです。
・パッケージエアコン
・業務用冷凍冷蔵機器
・業務用エアコン
・業務用製氷機
・ビールサーバー、冷水機等のフロンが充填されている機器類
※家庭用は対象外
この法律の施行により、機器の所有者、ユーザーの責任が増加しました。しかし、やるべき事をきちんとやれば、問題ありません。あなたのお店の対象機器を把握し、定期的に記録するだけです。問題は「何をやればいいのか非常に分かりにくい」事です。正直、環境省やJARAC(冷凍空調設備専門業者の全国団体)のHPを見ても非常に分かりにくい。だからこそ、業務用冷凍冷蔵機器に携わる者のとして最大限分かりやすく皆様にお伝えできればと思い、簡潔にまとめましたので是非ご覧ください。
フロン排出抑制法
一体この「フロン排出抑制法」とは何でしょうか??何のために作られた法律なのでしょうか?環境省のホームページを見ても分かりにくくて全体が把握しきれませんが、下記の点を抑えておけば十分です。
この法律の背景には、世界中で対策が必要とされている地球温暖化があると理解して頂けるとよいかと思います。シンプルに言うと、
フロンガスは地球温暖化をもの凄く加速させるから、放出する様な事は絶対ないようにしろよ!
という事です。地球温暖化の影響を減らす為の法律と言っても過言ではありません。
それではフロン機器類の管理者(店舗経営者)が何をするべきなのかを確認していきましょう。
管理者のやるべき事
「管理者」とは所有権を有する企業・法人が該当します。簡単に言うとオーナー(社長)の事ですね。契約内容によっては違う場合もありますがここでは割愛します。
また、管理者の遵守事項としては以下のものがあります。
① 機器を適切に設置し、適正な使用環境を維持し、確保すること。
② 機器を点検すること。
・簡易点検
⇒全ての機器に対して、3カ月に1回以上の簡易点検を行わなければならない
・定期点検
⇒定格出力が一定以上の機器については、定期点検を行わなければならない。
③ 機器からフロンが漏えいした時に適切に対処すること。
④ 機器の点検・整備に関して記録し、保存すること。
上記項目を1つ1つ解説していきます。
① 機器を適切に設置し、適正な使用環境を維持し確保する
よほど設置環境が悪くない限り大丈夫。無視してOK。
② 機器を点検すること
→点検には簡易点検と定期点検の2種類ありますので、2つに分けて整理します。
【簡易点検】
使用する全ての業務用冷凍空調機器について、四半期に1回以上行わなけれなりません。簡易点検は機器ユーザーが自ら実施することが求められています(専門業者に依頼してもよい)。
また、原則として目視確認で容易に点検できるレベルです。(危険な場所や工具を使用して点検する必要なし)専門知識は必要ありません。
<必要点検項目>
点検項目の分かりにくい部分だけ解説します。
※1の「熱交換器の霜付き」とは、冷やす部分に氷がついていないか?という事です。縦型業務用冷凍庫の熱交換器(蒸発器)の霜付きを見てみましょう。
赤丸の部分を目視確認し、霜付きが確認出来ました。分解すると氷がびっしり着いていました。管理者の方は分解する必要はありません。赤丸の部分にライトを当てて氷が着いていなければOKです。
ショーケース、プレハブ冷凍冷蔵機器も基本的には同じ構造なので、冷やす部分に氷が着いていないか目視点検しましょう。
冷やす部分がショーケースの底面ではなく、背面についている場合は簡単には確認出来ません。点検窓があれば確認できますが、そうじゃない場合は分解しなければならないので確認不要です。
※2の「配管の油のにじみの有無」はハッキリ言ってほとんど分かりません。そもそも油がにじんでいた場合は、その時点で冷えていないはずです。一応目視確認して問題なければそれでOKです。
<熱交換器(凝縮器)の確認場所>
また、実際の熱交換機というのはゴミや空気中の油が付着し、かなり汚れています。どれが油のにじみなのかは専門業者でもない方が判定するのは無理がありますので、よほど変形したり、集中的に油を吹いてない場合は問題ありません。
【定期点検】
能力の大きい圧縮機を使用していた場合は定期点検を行わなければなりません。ただ、中小規模店舗の場合ははほとんどないと思われますが、あるとすればエアコンです
大きい能力の冷凍冷蔵機器を使用している場合は、必ず銘板を確認してください。業務用冷凍機器であれば庫内の横側に、室外機であれば正面か横側に銀色のステッカーが貼られていますのでそこを確認すると確実です。
緑の枠内の電動機の消費電力を確認し、7500W(7.5kW)以下なら定期点検無しでOK。
また、定期点検は簡易点検とは違い、「十分な知見を有する者」が行わなければなりませんので業者に依頼しましょう。
注意!!
簡易点検か定期点検のどちらか一方を実施するのではなく、「定期点検の対象機器は、簡易点検に加えて定期点検を実施する」のが正しい解釈です。
③ 機器からフロンが漏えいした時に適切に対処すること
「機器からフロンが漏えいした時」は、冷凍冷蔵機器(エアコン)が冷えなくなった時、業者に修理を依頼してフロン漏えいの診断を受けた時になります。
専門の知識と道具が必要なので、自分ではまず判定出来ません。
また、フロンが漏えいした場合、冷蔵庫(エアコン)は冷えませんので食材が傷みますよね?その場合は1回だけはフロンの応急補充が出来ます(本修理を実施する事を前提に)。2回目以降はこのフロン排出抑制法により不可になりました。
冷凍機能が維持できずに飲食物等の管理に支障が生じる等の人の健康を損なう事態や、事業への著しい損害が生じないよう、応急的にフロン類を充塡する必要があり、かつ、漏えいを確認した日から60日以内に当該漏えい箇所の修理を行うことが確実なときは、1回に限り充塡することができることとしています。
環境省HP(https://bit.ly/2WofxeG)より一部抜粋
フロンを充填する場合は確実に修理する、もしくは新品に入れ替える事が前提となりますので注意しましょう。
④ 機器の点検・整備に関して記録し、保存すること
機器1台ごとに点検・整備記録簿をつけ、機器の廃棄まで保存しなければならない。管理者の義務として記録・保存が求められています。役所に指摘されない為にも管理徹底する事が大事です。そこまで面倒くさいものでもありませんので。
管理の仕方が分からない方もいらっしゃるかと思いますが、便利なフォーム(エクセル)も無料でダウンロードできますのでプリントアウトして是非ご活用下さい。
日設連HPより ☞ https://bit.ly/2uvehup
エクセルのシート別に記録簿、記入例、注意事項等あります。自分の使いやすい書式に編集可能ですので非常に便利。この様式で記録すれば間違いありませんので是非活用しましょう。
また、一定量以上のフロンが漏えいした場合は国に報告義務がありますが、中小規模事業者はそこまで達する事はほぼありませんのでこちらは割愛します。
罰則規定
最後に、フロン排出抑制法の義務に違反した場合は罰則があります。
・ フロン類をみだりに放出した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金。
・ 機器の使用・廃棄等に関する義務について都道府県知事の命令に違反した場合、50万円以下の罰金。
・ 算定漏えい量の未報告・虚偽報告の場合、10万円以下の過料。
まとめ
管理者が行わなければならない事のまとめ。
①冷凍空調機器の簡易点検・定期点検
・全ての機器を対象に、簡易点検の実施(3 ヵ月に1 回以上)
・対象機器については、定期点検の実施(専門業者に依頼)
「十分な知見を有する者」いわゆる「冷媒フロン類取扱技術者」等が実施する。
②漏えいを発見した場合には、速やかな漏えい箇所の特定及び修理を実施
・冷凍機能が維持できず人の健康を損なう事態や損害が生じないよう、応急的にフロンを1回に限り充塡する事が出来る(2回目以降は禁止)。ただし、漏えいを確認した日から60日以内に当該漏えい箇所の修理を行うことが確実なときに限る。
③点検・修理やフロン類の充塡・回収等の機器整備に関する履歴の記録・保存義務
・機器を廃棄するまで保管しなければならない。
④機器を廃棄する際は、フロン類を回収しなければならない
・機器を廃棄するときには、行程管理票を使用して充塡されているフロン類を回収しなければならない。
参考
環境省 フロン排出抑制法(https://bit.ly/2JPpr7N)
日本冷媒環境保全機構(https://bit.ly/2V3PhWK)
冷蔵庫修理マンがオススメするコールドテーブル(冷蔵)
冷蔵庫欲しいんだけど、どれが良いのか分かんないよ
そんな悩みに答えます!
冷蔵庫3000台以上を修理してきた私、冷蔵庫修理マンがあなたの悩みに答えます!!
たくさん種類があってさ、正直違いが分からないのよ。
教えてくれない?
はい!答えて差し上げます、そのお悩み!!
今回は最も汎用性の高いコールドテーブル(冷蔵庫)についてお話していきます。
購入する際は是非下記のポイントを抑えて下さい!!
・サイズ
・扉の形状
・シンプル・イズ・ベスト
サイズ
サイズってコールドテーブルは全部一緒じゃないの?
はい。高さはすべて800mmで統一されています。
しかし、横幅と奥行きは様々なサイズがあります。
横幅は扉の枚数と扉自体の大きさでサイズが分かれます。
主流は2枚扉~3枚扉になります。
奥行きは3タイプあり、450mm、600mm、750mmです。
厨房にあったサイズを選びましょう!!
高さは規格で統一。2枚扉か3枚扉を選ぶのが無難!奥行きは厨房に合わせて考えよう!
扉の形状
え?何それ、扉ってたくさん種類あるの?
おおまかに言うと3種類あります。
それでは写真でご紹介。
左側が観音開きのタイプで、最も主流となっています。
真ん中はスライド扉タイプです。
厨房が極端に狭く、観音扉だと扉を開けた時に通路の邪魔になる場合は、スライド扉もいいと思います。ただスライド扉だと両側一度に開く事はできません。
右側は引き出し(ドロア)タイプになります。こちらは扉を引き出すと、しゃがまずに食材が取りやすいメリットがあります。
ふ~ん、知らなかったよ。こんな扉のタイプもあるんだね!
もう一つ重要な形状があります。
上の3タイプよりも、こちらの方が重要かもしれません。
こちらも写真でご紹介。どん!
なにが違うか分かりますか?
一緒やん。
よく見て下さい!扉の形状は一緒ですが、左側の冷蔵庫には真ん中に柱が通ってるけど、右側の冷蔵庫には柱は通ってないでしょ?
ホンマや!!大きなものでも入れやすいやん!
そうなんです。この柱がないタイプを「ピラーレス」とか「センターフリー」と言います。これはらくちんですよ。
これええなぁ。これめっちゃええなぁぁ。欲しくなってきたわ!
扉の形状は3タイプ。観音扉はピラーレス(センターフリー)タイプをを選ぶべし!
シンプル・イズ・ベスト
今の時代は多機能化でなんでも出来た方がええやん
それが一概にそうは言えないんですよ。3000台以上修理してきて思う事は、やっぱりシンプルが一番良いという事です。多機能化で効率的に作業が出来れば理想的で、僕もその方が良いと思いますが、業務用冷蔵庫というのは長く使用する事を考えなければなりません。もし、10年、それ以上使用する前提で冷蔵庫を購入するのであれば尚更です。
作業効率を上げて10年以上使うつもりやで、俺は。
はい、ありがとうございます。
10年以上使用するという事は必ずメンテナンスが必要になります。簡単に言うと、「壊れますよ」という事です。
な、なに!!壊れる前提で物を帰っていうのかお前!!?
はい、その通りです。10年間もメンテナンスなしで冷蔵庫を使用するのはほぼ不可能と言っても良いです。 凝縮器の目詰まり、ファンモーターの停止、排水詰まり等必ずと言ってメンテナンスの必要性が出てきます。これは仕方ありません。
メンテナンスしながら長くご使用して頂く事が私の望みでもあります。
ふーん、そんなもんか。それでも多機能化しない方が良いのはどういうこっちゃ
そこです!そこなんですが、私の考えでは「部品は少ない方が良い」という意味で、「シンプル・イズ・ベスト」と先ほどお伝え致しました。多機能化するのは良いんですが、やはり壊れる可能性があるんですよ。多機能化するという事は高機能化です。高機能部品は値段も高い場合はほとんどです。
その事から私は、冷蔵庫はあくまで食材を冷やすシンプルな構造がベストだと思っています。例えば圧縮機やファンモーターのインバーター制御を各メーカー推していますが、制御する基板部品が増えるしファンモーター自体の値段も上がりますね。確かにランニングコストは下がりますが、基板が壊れたら全てパーどころがマイナスになる程の金額を請求される場合もあります。
じゃあ何や!機能は最低限に抑えろってことか?
私の考えでは、最低限に抑えるのではなく、「シンプルに絞る」という事です。同じ事かもしれませんが、長く使用するのであれば、それが価格を抑えて長期使用するコツです。
なんとなく言いたい事は分かったけど、結局どれがいいの?
はい、頂きました!ありがとうございます。
私のオススメするダントツの一位はこれです!!
正にシンプル・イズ・ベスト!無駄な機能はなく、冷蔵庫い特化した一品。しかも安い!!長期使用ならコレ一択です!
確かに長く使うならシンプルがいいかもしれんな。
コレ、買うーー!!
料理長、ありがとうございます!!メンテナンスの場合は必ず私、冷蔵庫修理マンを第一にお呼び下さい!!
・この製品は霜取りの排水は地下排水に流す構造です。蒸発皿はありません。
・製品の価格以外に送料、据付、等別途費用が発生する場合があります。
・入れ替えする予定なら、廃棄する冷蔵庫は別途撤去費用がかかります。
・廃棄は受け付けない業者さんもありますので、業者さんと相談してください。
冷凍庫(冷蔵庫)の圧縮機交換
先日は圧縮機の交換に行ってきました。
圧縮機というのは、簡単に言うと「自動車のエンジン」にあたります。
それなしでは用途を果たせない心臓部分ですので、圧縮機が故障するともちろん全く冷えなくなります。
写真の方が分かりやすいと思いますので、アップします。
この2つの黒いタマみたいなやつが圧縮機です。
この写真は2個ついていますね。
これは左側が冷蔵庫用、右側が冷凍庫用がそれぞれについている為、2個になります。
今回は右側の冷凍庫用の圧縮機を交換します。
まずは上記写真の中の赤丸がついた配管が5本確認できます。
圧縮機を交換する為にはこの配管を取り外さなければなりません。
この赤丸のつなぎ目部分をバーナーで炙って引っこ抜きます。
ここの圧縮機の右側の配管を引っこ抜きます。
おりゃっ!!
バーナーで炙りながらプライヤーで掴んで引っこ抜きます。
強めの火力でまっすぐ抜かないと途中でちぎれますのでご注意。
その後は新品の圧縮機を載せ替えて溶接して配管を繋ぎます。
配線や部品を燃やさない様にしっかり養生してから行います。
この様に溶接します。
しっかり裏側まで鏡を使って溶接棒が溶けて馴染んでいるか確認します。
ここを怠ると最後にガスを充てんした際に「ブシュー」」と音を立てて漏れますので気を付けて下さい。
あと今回修理の際に、ガス漏れも発覚しました。
ガス漏れ箇所も特定出来たので一応ここも載せておきます。
ここも溶接して穴を塞いでおきました。
ここ、発見できなかったらまた冷えなくなってクレームになるところでした。
危ない危ない(汗)
最後は断熱材も取り付けて交換完了。
最後はガスを充てんし、試運転作業。無事冷えました!!
圧縮機交換は溶接の資格、フロン類取扱の資格も必要である作業の為、誰にでも出来る作業ではありませんが、クリアしている方は参考にして頂けたら幸いです。
ご質問ありましたら、コメントお願いします。